受診の方へ
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どんな仕事も一緒だと思いますが、いくら知識があっても経験が無ければ実践では全く役に立たないでしょう。そんなことを感じた苦いエピソードを一つ。私が、医師になったばかりの研修医の時のお話です。休日診療所の診療を一人でまかされました。傍らに小児診療の参考書を置き、ドキドキしながら待っていると、手の甲が腫れたという女の子がやってきました。私は国家試験で勉強した知識をフル回転させ、手の甲が腫れる病気? なんだろう?そうだ、川崎病で手の甲が腫れるとあったなと。川崎病だったら大変だと考えすぐに近くの大きな病院に紹介しました。それからしばらくして、紹介先の先生から電話があり、「虫刺されだったよ」と・・・。あれから20年以上、多くの病気の子どもを診てきました。そして多くの経験を積み重ねてきました。小児科は子どもしかない特殊な科です。それだけ、子どもの病気に関しての経験が豊富だということです。お子さんの具合で何か心配なことがあれば、まずは小児科医にご相談ください。小児科医は、いつでも子どもたちの味方です。
窓口での受付が終わりましたら、問診票の記入、体温の測定、体重の計測をお願いいたします。
お薬手帳を見ると、この子は、「こんな病気に今までなっていたんだな」、「アレルギーがあるんだな」、「こんな病気にかかりやすいんだな」ということが一目でわかり、処方する薬を考える上でとても参考になります。また、今飲んでいる薬があれば重複を避けたり、飲み合わせが大丈夫かも判断できます。
小児科には、どのタイミングで受診するのがよいでしょうかと質問を受けることがあります。
答えは、“食う寝る遊ぶ”が出来ているかで判断してください。子どもの仕事は、食べて、寝て、遊ぶことです。この三つが出来ていれば元気な証拠です。ただ、この内一つでも出来ないようであれば受診が必要と考えてください。食欲が無い、吐き気や嘔吐がある。咳や鼻水、痛みで眠れなかったり途中で起きてしまう。遊ばずに横になっているといった時です。私が、問診で「食欲はどうですか?」「睡眠はちゃんととれていますか?」と聞くのも、それでお子さんの具合の程度を判断するためなのです。
私が医師になった頃、お子さんを連れてくるのは、ほぼお母さんで、お父さんが連れてくるケースは本当に稀でした。時代は変わり、今ではお父さんが連れてくることが普通になっています。土曜日の待合室はお父さんで一杯になることもあります。
ただ、お子さんの様子をよく分からないまま連れてくるお父さんが時にいます。「いつから、どんな症状がありますか」と聞いても分からず「おい、お前いつから具合悪いんだ。」とお子さんに聞くお父さんもいます。突然具合の悪くなった子どもの様子を、子どもに接する時間の少ない父親が把握することは難しいでしょう。そこで、お子さんの様子を書いてもらったお母さんのメモを持ってきてもらうと、問診の代わりになりますのでとても助かります。
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