こんにちは、つちだこどもクリニックの院長である土田正仁と申します。
私が、はるばる新潟県からここ本郷台に来たのは2007年(平成19年)でした。岡野小児科医院を継承し、小児科医として微力ながらも近隣の子達の健康に、少しでも貢献できたらと思い、つちだこどもクリニックを開業しました。それから今日まで診療を行ってきましたが、一つだけずっと変わらずに持ち続けている方針があります。それは、「この子が自分の子どもだったら、どうするだろうか」と考えながら診療することです。検査は必要か、薬はどうするか、病院へ紹介した方がいいのか等を常に考えながら一人一人の診療にあたっています。
そうすることで、過不足の無い最適な医療を提供出来ると考えているからです。
私自身も、開業当時3歳だった娘がもうすぐ20歳になることを思うと、時間の経つのは早いものだと感じます。あと10年もしない内に「この子が自分の孫だったら、どうするだろうか」となりそうです。それでも変わらずに子どもたちの健康をサポートし、親御さんの安心につながればと思っています。今後も、つちだこどもクリニックが地域の子どもたちにとって頼りになる医療機関であるよう、努めてまいります。よろしくお願いいたします。
「子育てはかけがえのない時間」
娘が成人し、“子育て”の時期がほぼ終わった私から、子育て真最中の親御さんへ。
娘が私について回っていた小さかった頃を思い出すと、色々大変なことはありましたが、今ではかけがえのない時間だったと感じます。子どもに元気をもらいながら日々すごしていました。子育ての多くを妻にまかせていた私が、偉そうなことは言えませんが、「子育ての時間をとにかく楽しんで大切にしてください!」とお伝えしたいです。
子育ては、とにかく手が掛かり大変なことばかりです。楽しむことなんて・・と考えてしまうでしょう。でも、過ぎ去ってしまうとその頃がとても愛おしく感じられます。私の母親も「あなたをもう一度小さくしたいわ」とよく言っていましたが、ようやくその意味が分かる様になりました。振り返ると、時間はあっという間に過ぎていることを実感します。分かってはいることですが、過去に戻ることは出来ません。子どもがいるからこそ出来ること、感じられることを大切にして日々を過ごしていただけたらと思います。
今も心に残る言葉
医療について右も左も分からない研修医の時に言われた言葉が2つあります。
一つ目は
「子どもの病気の90%は、放っておいても治るもの。自分が治したなどと思い上がってはいけない。子どもが自分で治ろうとしているのを、ちょっとだけ後押しただけと考える様に」という医者が陥りやすい傲慢さを戒めるような言葉です。
二つ目は
「目の前の具合の悪い子どもから、逃げてはいけない。その時、その子どもにとっては、あなたが唯一の医師なのです。そのために診療の技術を磨きなさい」という医師としての使命を言われたような言葉です。これらの言葉は、医師になってからずっと私の診療スタイルに影響を与え続けています。
診察はドアが開いた瞬間から始まります
名前を呼ばれた、患者さんと親御さんが診察室に入ってきます。この瞬間から、診察が始まります。
子どもと親御さんがどのように入ってくるのかを見ています。まずは、子どもの様子から。歩いて入ってきたら元気だなと、抱っこされて入って来た場合は、具合が悪いのか、はたまた怖がっているのかなと、抱っこでも両腕に仰向けに抱きかかえられていた場合は、ただごとじゃないなと判断します。また、子どもの服装も見ています。制服や普段着ならあまり具合悪くないだろうと。もし、パジャマだったら、着替える元気や余裕もない位具合が悪いのかなと考えます。
次にお母さんの様子も一緒に見ています。服装はビシッ、メイクはバッチリなら、お子さんはまず大丈夫。スッピンで、眠そうにして疲労感があれば、お子さんはかなり具合が悪く夜通し看病していたのかなと考えます。
この様に診察室に入って来た瞬間に、お子さんとお母さんの様子で急を要する状態かどうかを判断しています。